じゃあね、イタリアでも頑張って。
弱音吐いたりしたら許さないからそのつもりで。

うん。必ず強くなってみんなに認めてもらって迎えに来るよ。
だから、それまでオレのこと待ってて

しょうがないなぁ....5年だよ。5年だけ待ってあげる。
それまでにカッコイイ男になって私を迎えに来てね。

約束だからな。
うん、約束。

そして、そっと互いの小指を絡めた。








-1- 愛していました。心から。








しとしとと雨が降り注ぐ。空は灰色に覆われていて、見えない。

けれども、この空の下で彼らは今日も今日とて騒ぎを起こしているに違いない。


渾名がダメツナだった冴えない幼馴染みは、ある日やって来た家庭教師である小さな男の子によって、
みんなを守るちょっとカッコイイ男の子に成長して、高校入学と同時にイタリアに旅立ってしまった。

あれから―ツナが旅立ってから、3ヶ月が経とうとしている。




ってば!」

「う〜っ、花?」

「『う〜っ、花?』じゃないの!小首傾げても花様はダマされません!
 またまた、沢田のこと考えてたんでしょ〜?青春だねぇ.....恋する乙女だねぇ。」

「そそそ、そんなことないよ!ただ....元気にしてるかなって......」

「ねぇ〜元気にしてるかなぁ・・・ツナ君達。」

「京子、そうじゃないでしょって......はぁ、もうあんた達に言った私が馬鹿だったよ。」




「花は馬鹿じゃないよ〜、ねぇ、京子♪」

「うん、花ちゃんは何でもできるもんね♪」

「(そうだったよ、こいつら揃って天然だった・・・・・・)」



思わず、黒川花(女子高生)は天を仰いだ。

けれども、最強☆天然娘たちはそんなことも露知らずいつものようにほわほわと話に花を咲かせていた。

今日も並盛高校は平和である。




そう、いつもと変わらない光景だったはずであった、3人にとって。

其処にはツナやその仲間達がいなかったり、並盛の秩序と言われている御方がいなかったりと
少し違うところはあったけれども・・・・・・・・たったそれだけのことだった。



それなのに、ただツナたちがいない、たったそれだけのことだというのに....



―いつの間にか傍にいるのが当たり前だって思ってたんだ、私。



何故か心にぽっかりと穴が空いたようで、今更なことに気が付いた私の胸がぎゅっと締め付けられる。

ううん、こんな感傷に浸ってる場合じゃない。しっかりしろ、私!



第一私はこんなキャラじゃない。感傷に浸って過去の思い出に囚われているお嬢様じゃない。

むしろ、やられたら3倍にして返すような強気な女(自分で言ってて悲しくなるけどホントのこと)だ。


そう、やられたら3倍返し!感傷に浸る暇があったら、その3倍為すべきことをやらなくちゃいけない。

あのヘタレな幼馴染みがイタリアで頑張ってるんだ。私が頑張らなくてどうするんだ!



―ツナの隣りに立っても恥じないような自分でありたい。

―ツナを支えられる人間になりたい。



きっかけとなった動機はちょっと不純だけど、幼馴染みが気付かせてくれた私の将来の夢。

だから、私は頑張らなくちゃならない。だって、それは決して簡単な道程ではないから。



海を越えた異国の地でツナが頑張っている、それだけで私は頑張れるのだ。

きっと、きっと叶えてみせる。どんなに大変だろうとも、きっと......








 ツ ナ の 隣 り に 立 つ た め に !
















雨が止む。灰色だった空から一筋の光が差し込み、やがて、綺麗な青が顔を覗かせる。

そして、そこに七色の橋が架かる。私とツナを繋ぐかのように。

もうすぐ夏がやって来る。





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「起立、気をつけ、礼!」

「「「「「「「「さようなら」」」」」」」」







―ガヤガヤ、ガタガタ


机を下げる音と生徒達が騒ぐ声が聞こえる。

は急いで机を下げると、鞄を手に取り、京子達に向かって叫ぶ。



「ごめん!今日バイトがあるから、先帰るねっっ!!」

「りょーかい。小石川先生トコでしょ。あんたも頑張るねぇ〜」

ちゃん、頑張ってね!!」


2人の友人たちが言い終わる頃には、の姿はもはやその場にはなかった。

2人は顔を見合わせて苦笑すると、ゆっくりと教室を出て行った。





愛していました。心から。
そして、今も君が大好きです。


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('07.01.30)
新年第1発目は復活イタリア編でした。といっても、まだ日本にいますが......
イタリア編前半はものすごくオリジナルです。復活キャラは恐らく次回から暫く出ません。
早く復活キャラと絡ませたい!あ〜んなことや、こ〜んなことをしたい(笑
その為には主人公ちゃんにイタリアに飛んで貰わなくてはならんのです。頑張りますよ。